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妊娠中・授乳中の歯科治療

妊娠中・授乳中の歯科治療

妊娠中に起こりやすい病気や歯のトラブルは?
妊娠性歯肉炎

妊娠すると、エストロゲン ( 女性ホルモン ) の増加や内分泌の変調により、歯肉が赤くなり、腫れやすくなります。

時には歯肉から出血することもあります。症状が軽い方の場合は 「 ていねいな歯磨き 」 で治すことができます。

むし歯

妊娠すると口の中の唾液が粘っこくなり、つわりなどで食事の回数が増えて、口の中が汚れやすくなります。その結果、むし歯になる危険性が増加します。

歯周病が胎児に与える影響

最近、母親が中等度から重度の歯周病にかかっていると 「 低体重児 」 を出産しやすくなったり「早産」しやすくなったりすると言われています。喫煙やアルコール摂取よりも胎児に大きな影響を及ぼすともいわれています。

予防方法
  • いずれの症状も、 「 ていねいな歯磨き 」 によって十分に予防できます。
    バランスのよい食事を摂り、常にお口の中を清潔にしておくことが大切です。
  • 妊娠して母子手帳をもらったら、歯の健診をうけましょう。
    妊娠中に歯が痛んだり腫れたりしないためにも歯の健診が大事です。

妊娠中のレントゲン

妊娠6週から12週の間のレントゲン撮影は胎児に影響を与えるといわれていますが、 歯科でのレントゲン ( デンタル ) 1枚撮影による被爆量は1日の自然からの被爆量の1/3以下と言われています。

お腹の部分を防護エプロンをした場合、数枚程度であれば心配いりません。

なお、当院ではより慎重を期するために、なるべくレントゲン撮影はしないようにしています。

妊娠中の飲み薬

妊娠中に抗生物質や鎮痛剤などの 「飲み薬」 が胎児に影響を及ぼすのは妊娠4~10週といわれています。この期間であっても、抗生物質の場合はフロモックス(下の写真)やメイアクトなどのセフェム系およびペニシリン系であれば胎児に対する安全性は高いと言われています。

また、鎮痛剤であればアセトアミノフェ ( カロナール ) などは安心と言われています。

妊娠中の歯科治療における麻酔使用については、通常の麻酔量 ( カートリッジ1~2本程度 )であれば、お腹の中の赤ちゃん(胎児)に対して心配は無いと言われています。

ただ、妊娠8ヶ月以降は早産の可能性があるので、歯科医に相談して下さい。

  • 妊娠中の歯科治療で最適な時期は妊娠5ヶ月~7ヶ月の間です。この時期が、いわゆる安定期と言われています。
  • 妊娠の可能性がある場合や妊娠初期に歯科医院で治療を受ける時には妊娠していることを、必ず歯科医師につげましょう。

授乳中の歯科治療

出産直後の、お母さんの体は、まだ元の身体には戻っていないので、この時期の歯科治療はC1,C2の軽いむし歯や、歯肉炎などの軽い歯周病治療であれば治療可能です。それ以外の痛みや腫れを伴う治療は応急処置にとどめたほうがよいでしょう。いずれにせよ、授乳中に歯科治療を受ける時は、前もって歯科医師に「授乳中である」事を告げましょう。

授乳中の飲み薬

母親が飲み薬を飲んでも、赤ちゃん ( 乳児 )が生後3ヶ月を過ぎていれば、母乳の影響はほとんどないと言われます。赤ちゃん ( 乳児 ) が生後3ヶ月未満の場合でも、母親が飲み薬を飲んでから5時間を過ぎれば母乳の影響はまずないと言われています。

それでも心配な方は、妊娠時と同じく、抗生物質ならセフェム系 ( フロモックス、メイアクト ) かペニシリン系、鎮痛剤ならカロナール ( 右の写真 ) が安全といわれています。これらのお薬は乳児に対する安全性が高いお薬といわれます。もしくはお薬を飲んでいる期間だけはミルクにするか、搾乳しておくのもひとつの方法です。

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